著者:澤山 彰氏 澤山国際経営事務所 代表
装丁:B5判325頁/発刊:2009年1月 【BRI実践ノウハウシリーズNo.17】
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INDEX

第1章 企業経営を捉える視点
第2章 経営統合・企業買収のマネジメント
第3章 既存事業の再編と撤退戦略
第4章 市場競争の実態と競争戦略の本質
第5章 グローバル戦略の展開
第6章 新規事業の”罠”と成功のポイント
第7章 リスクマネジメントの捉え方
第8章 組織能力の要としての人事戦略とリーダーシップ
第9章 戦略スタッフの必要スキルと要件

<目次>

第1章 企業経営を捉える視点

第1章では戦略スタッフとして企業経営を捉えるときに押さるべき視点として、現在の日本企業が直面する「サブプライム」以降の世界経済の構造変化要因、事業環境の中に潜むリスク要因、特に企業経営にとって致命的な影響を及ぼす「戦略リスク」について解説する。さらに3つの業界の事例を用いて「経営とは環境変化への対応」の営みであることを示す。

1.リスクの世界的分散と不透明化
 (1)世界経済をいかに捉えるか‐リスク顕在化のシナリオ
 (2)産業資本主義から金融資本主義への移行
 (3)最大の事業環境リスクとしての中国経済
    強制された高度高度成長が歪を醸成/政治的圧力から不良債権の抜本的処理が困難/
2.戦略リスクとその罠
 (1)「選択と集中の罠」
 (2)競争ルールの変化リスク
 (3)アンドリュー・グローブの「戦略転換点」
3.「経営とは環境変化への対応」
 (1)事例研究‐海運業界
 (2)事例研究‐鉄鋼業界
 (3)事例研究‐塗料業界

第2章 経営統合・企業買収のマネジメント

第2章では、今日日本企業にとって最重要のテーマのひとつであるM&Aを取り上げる。一般論ではなく、M&Aの背景、目的・狙い、成功要因、失敗・リスク要因を各社の事例分析を通じて探り出し、M&A、さらには「敵対的買収」と言った問題に関しコーポレートガバナンスとの兼ね合いから戦略スタッフとしていかに捉えるべきかを解説する。

1.なぜ今M&Aなのか
2.「生き残り」戦略としてのM&A
 (1)事例研究‐コニカ・ミノルタ
 (2)事例研究‐アステラス製薬
 (3)事例研究‐三越・伊勢丹
 (4)事例研究‐HOYA・ペンタックス
3.M&Aに伴うビジネスリスク
 (1)事例研究‐古河電工によるルーセントの光ファイーバー事業買収
 (2)事例研究‐ダイムラーによるクライスラー買収
4.M&Aを捉える視点
 (1)「シナジー効果を求めてのM&A」‐その罠
 (2)事業ポートフォリオマネジメント再考
 (3)「敵対的買収」と買収防衛策、コーポレートガバナンスの捉え方
5.成功するM&Aのためのチェックリスト‐まとめ

第3章 既存事業の再編と撤退戦略

第3章では、事業の再編が求められる背景、必然性に関し企業再生事例として産業再生機構がともに関わった、ダイエーと工作機械メーカー、ミヤノの事例を取り上げる。現在も事業再編の最中にある三洋電機についても事例として分析する。各社で関心の高い「撤退戦略」に関して、その理論的な背景と実際の展開、撤退判断のフレームワーク、「撤退基準」について解説を加える。

1.既存事業再編の論理と実践的着眼点
2.企業・事業再生の実際
 (1)事例研究‐ダイエー
 (2)事例研究‐三洋電機
 (3)事例研究‐ミヤノ
3.撤退戦略‐その理論と実際
 (1)「負け犬事業」とは何か
 (2)マイケル・ポーターの「撤退障壁」
 (3)撤退判断の理論的枠組みと「事業撤退基準」

第4章 市場競争の実態と競争戦略の本質

第4章では3つの市場を事例として取り上げ、市場競争がいかに繰り広げられているのか、各社の競争行動を分析することで競争戦略の実際を探る。卓越した競争戦略を展開している企業として3社の事例を取り上げ、いずれも差異化されたユニークなビジネスモデルを確立していることを示す。さらに「アービトラージ(裁定取引)」型の競争戦略事例を取り上げ、継続した優位性の確保が困難であることを示す。

1.市場競争の実際
 (1)事例研究‐家庭用ゲーム機市場
 (2)事例研究‐糖尿病薬市場
 (3)事例研究‐ジェネリック医薬品市場
2.差異化されたビジネスモデル
 (1)事例研究‐ホギメディカル
 (2)事例研究‐キーエンス
 (3)事例研究‐小林製薬
3.「アービトラージ(裁定取引)」を活用した競争戦略
 (1)事例研究‐ユニクロ
 (2)事例研究‐船井電機

第5章 グローバル戦略の展開

第5章では、躍進著しい中国、インド等のエマージングマーケットを取り上げ、日本企業にとっての成長機会さらには、進出にあたっての潜在的リスク、落とし穴に関して解説する。ブリヂストンやコマツ、スズキと言ったグローバル企業のこれまでの歩みを振り返ることで、日本企業が「グローバル企業」としての進化・発展を遂げる上で乗り越えなければならないハードルは何かを生きた教訓として示す。

1.「東西逆転」の衝撃
2.日本企業によるグローバル戦略の実際
 (1)事例研究―ブリヂストン
 (2)事例研究―コマツ
 (3)事例研究―スズキ
3.日本企業にとっての新興国市場展開の在りかた
 (1)中国市場への展開の巧拙
 (2)日本企業にとってのインドの捉え方
4.グローバル戦略の本格的展開に向けてのチェックリスト-まとめ

第6章 新規事業の”罠”と成功のポイント

第6章では、事例として花王とカネボウの新規事業展開を取り上げ、失敗に至った「罠」は何だったのかを探る。成功した新規事業についても3社の事例を解説し、個々の成功要因を明らかにする。事例分析を通じて、各社が新規事業を企画、立案する上で重要となる「事業性」「コアコンピタンス」「自社競争優位性」等の評価の角度、視点さらには「評価基準」を示す。新規事業を成功させる上でキーとなる人的要因として「起業家人材」の重要性に関しても触れる。

1.「窮すれば新規事業」の誤り
2.失敗した新規事業
 (1)事例研究‐花王の記録メディア事業
 (2)事例研究‐カネボウ「新規事業」の破綻
3.成功した新規事業
 (1)事例研究‐ニッパツのハードディスク用サスペンション事業
 (2)事例研究‐日本ゼオンのCOP樹脂事業
 (3)事例研究‐アサヒビールの「スーパードライ」事業
4.新規事業の「事業性」はどう評価するか
 (1)自社競争優位の源泉
 (2)「コアコンピタンス」再考
 (3)新規事業評価のための「評価基準」
5.新規事業と「起業化人材」の確保

第7章 リスクマネジメントの捉え方

第7章では各社で関心の高まってきている「リスクマネジメント」の在りかたを取り上げる。事業環境リスクの捉え方としてその分類と体系を示す。各社でのリスク対応事例を示し、実際にビジネスリスクの棚卸をどう進めるかを解説する。さらにビジネスリスクの定量化手法として、What-if分析、シナリオ分析、イベントツリー法、モンテカルロシミュレーション法の使い方を具体的に示す。内部統制との関連に関しても解説する。

1.事業環境リスクをどう捉えるか
 (1)企業成長にとって「リスク」とは何か
 (2)ビジネスリスクの分類と体系化
 (3)戦略リスクとは何かーその例示
2.各社でのリスク対応事例
 (1)リスクに対する集団心理
 (2)ITバブル崩壊時における後手後手の対応事例
 (3)事例研究―信越化学工業
 (4)事例研究―商船三井
3.ビジネスリスクの棚卸の進め方
 (1)ビジネスリスクの定義と分類、体系化
 (2)ビジネスリスクの抽出要領
 (3)考えうる将来のビジネスリスクの抽出
 (4)自社における「過去リスク」の識別、抽出
4.ビジネスリスクの定量化手法
 (1)What-If分析の実行手順
 (2)シナリオ分析法の実行手順
 (3)イベントツリー法の実行手順
 (4)モンテカルロシミュレーション法の実行手順
5.内部統制の一環としてのリスクマネジメント
 (1)リスク対策の優先順位付け
 (2)リスクマネジメント目標の設定
 (3)リスク対策実行計画の策定
 (4)リスク対策実行のモニタリング推進体制

第8章 組織能力の要としての人事戦略とリーダーシップ

第8章では人事戦略とリーダーシップの在りかたをテーマに取り上げる。「組織能力」の要は人事にあるが、各社の顕著な業績回復の裏に一方では人事制度における閉塞感が忍び寄っていることを示す。欧米の代表的経営者としてジャック・ウェルチ、ルイス・ガースナー、カルロス・ゴーンを取り上げ、そのリーダーシップの特徴を探る。さらに、今後日本企業がグローバル化を進め、M&Aで傘下に収めた欧米企業へのマネジメンの在りかたに関し、事例を交えながら解説する。 

1.閉塞感ただよう日本企業の人事制度
2.外資系企業の人事制度
3.GEウェルチの「活性化カーブ」
4.企業変革に必要なリーダーシップとは何か
 (1)事例研究‐ジャック・ウェルチ
 (2)事例研究‐ルイ・ガースナー
 (3)事例研究‐カルロス・ゴーン
5.買収した欧米企業への人事戦略
 (1)事例研究―ソニー
 (2)事例研究‐信越化学工業

第9章 戦略スタッフの必要スキルと要件

第9章では戦略スタッフに求められるスキル、能力、さらには資質要件に関して解説する。「戦略思考」とは何か、戦略の本質とは何かを探る。戦略スタッフとしてのコア能力、経営をとらえるための基本フレームワークを示す。さらに、帝王学の書として知られる「貞観政要」を取り上げ経営にも通ずる、戦略スタッフに求められる資質要件は何かを明らかにする。

1.戦略思考とは何か
 (1)戦略と戦術の違いー「日本企業には戦略がないのか?」
 (2)戦略発想の原点としての「80:20の法則」
 (3)市場逆転、ビジネスモデル転換を可能にする戦略とは
2.戦略スタッフに必要なスキル
 (1)基本ツールとしての「セグメンテーション」
 (2)経営の原点としての「ポートフォリオマネジメント」
 (3)O-O-D-Aサイクルと「学習能力」
3.戦略スタッフに求められる資質要件
 (1)「貞観政要」で示された戦略スタッフの要件
 (2)組織の自己革新を促すための「仕掛け人」になれるか?
 (3)最後の要件としての「修羅場を耐えうる胆力」