上場企業の役員として知っておくべき『コーポレートガバナンス』

講 師

和田倉門法律事務所 弁護士  野村 彩 氏

講 師 略 歴

2001年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2006年立教大学大学院法務研究科卒業。2007年弁護士登録。鳥飼総合法律事務所入所。 2016年 和田倉門法律事務所参画。著書・論文に「【万一の際、適切に対処したい企業リスク】ハラスメント対応~いざ起きたとき、どう動くか~」(ウィズワークス株式会社)等。

プログラム

プログラム

1.コーポレート・ガバナンスの基本

(1)コーポレート・ガバナンスとは
1)そもそも「コーポレート・ガバナンス」とは
・誰のために何をするのか
・株主のため?役員のため?従業員のため?社会全体のため?
2)なぜいまコーポレート・ガバナンスなのか
・アベノミクスと「日本再興戦略」
・伊藤レポート
・スチュワードシップ・コード

(2)会社と役員の基本
1)会社の基本
〇そもそも株式会社とは何か
・有限責任、所有と経営の分離
〇機関設計とは
・基本は「株主総会」と「取締役」
・チェック機能のオプション(監査役、会計監査人など)
・上場会社における機関設計
・監査役設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社の違いを説明できるか
〇取締役会の役割とは
・執行か、監視(モニタリング)か

(3)役員責任の基本(上場会社と非上場会社の違い)
〇代表訴訟のリスク
〇ディスクロージャーのミスは許されない
・上場会社におけるディスクロージャーの概要
・有価証券報告書、コーポレート・ガバナンス報告書、事業報告
〇上場会社と非上場会社で経営責任の原則に違いが生じるか

(4)内部統制
〇内部統制は役員責任の防衛策

(5)コーポレートガバナンス・コードを読み解く
〇コーポレートガバナンス・コードとは
・プリンシプル・ベースとは
・コンプライ・オア・エクスプレインとは
・原則の内容の外観
・改正により何が変わったか
・コード対応の実務
・政策保有株式、社外役員の導入、多様性のある人材採用、株主との対話、
ESGなどそれぞれについてご説明の上、具体的にどのような作業が必要なのかを確認

2.役員報酬の基本と現在

1)会社法と役員報酬
〇誰が報酬を決めるのか
〇取締役報酬と監査役報酬の違い
〇ディスクロージャー
2)役員報酬のいま
〇CGコードの要請とは
〇報酬委員会の在り方
〇ストック・オプションの次の流れ
〇役員報酬を種類ごとに考える
・固定報酬
・業績連動報酬としての賞与
・ストック・オプション
・リストリクテツド・ストック
3)ワーク
〇会社にとって最適な報酬を設計する

3.株主との対話

1)もの言う株主の現在
〇昨今の事例を参考に
2)株主総会の歴史
〇総会屋時代
〇アクティビスト時代
・買収防衛策の流行り
〇対話の時代
3)会社法と株主
〇株主の権利とは
〇会社法改正
4)スチュワードシップコード、対話ガイドラインの内容
5)議決権行使助言会社における議決権行使基準
6)ディスクロージャー・IRの在り方
〇ハードロー・ソフトローに基づく開示
・事業報告
・計算書類
・有価証券報告書
(財務情報と非財務情報)
・適時開示
・コーポレートガバナンス報告書
〇任意の開示
・いわゆるIR
・決算説明会
・個別の面談
・web開示
・ESGとは
・ワーク:貴社にとって適切なIRを考える

4.ケースで学ぶ役員責任
1)冒頭ワーク
2)役員責任の基本
〇なぜ重い責任を負うのか
〇代表訴訟の仕組み
〇経営判断の三原則
3)ケーススタディ
〇コンプライアンス違反
〇M&A
〇子会社への出資
〇上場後の成長中に不祥事が起きた事例
4)取締役会の運営と役員責任
〇取締役会付議基準
〇利益相反取引
〇競業避止義務
〇特別利害関係人とは
〇取締役会議事録の在り方
・署名押印
・配布資料の考え方
・質疑応答を記録するか

5.役員責任の減免
1)責任の免除や軽減は可能なのか
2)責任限定契約
3)D&O保険
4)会社補償の議論

6.内部統制
1)内部統制の基本
2)内部統制の目的
3)内部統制についての会社法の定め
〇内部統制「決議」義務と「構築」義務
4)内部統制と役員責任の関係
5)どこまで構築する必要があるのか
6)内部統制とディスクロージャー
7)ワーク:判例をもとに在るべき内部統制を考える
8)内部統制が足りずに役員責任が問われた具体的な事例

7.上場会社における株主総会
1)上場会社における株主総会の意味
2)総会当日までの準備事項
・想定問答の作成
・リハーサルの重要性
・懇親会やお土産の法的な位置付け
3)総会当日の留意点
〇総会当日のスケジュール
〇誰が出席するか
〇総会のシナリオ
・議長就任
・開会
・進行説明
・監査報告
・事業報告
・質疑
・採決
・閉会
・選任者の紹介
〇説明義務とは何か
・質疑応答をミスしたときに何が起きるか
・どこまで回答する義務があるのか
・回答してはいけない事項とは
〇問題株主対応
4)ワーク:質疑リハーサル

8.取締役会の運営
1)コーポレートガバナンス・コードと取締役会
2)取締役会とは何か
3)取締役とは何か
4)取締役会の運営
・定足数と決議要件
・議長
・議事録の作成
・利益相反取引と競業避止義務
・特別利害関係人
5)取締役会実効性評価
〇取締役会実効性評価を実際に体感する
〇以下の項目について、実際に自社がどのように運用されているかをご提示いただき、
どのように改善すべきかをディスカッションする。
・取締役会の構成は適切か
・情報の共有はできているか
・開催の回数・決議内容は適切か
・経営方針は明確か
・他の機関(経営会議や指名・報酬委員会など)と役割分担ができているか
・これからの取締役会に求められるものとは

《貴社の課題に合わせて、プログラムをいくつか選択いただき開催することも可能です。》

プログラムについてのご相談、ご質問等は以下担当までご連絡ください。

(一社)企業研究会 民秋(たみあき)
TEL 070-2625-4687
mail tamiaki@bri.or.jp