【2日コース】自社技術の棚卸を活用した戦略的R&Dテーマ企画の進め方
         ~R&D現場のイノベーションを生み出す力を高める実践フレームワーク~

講 師

株式会社ケミストリーキューブ 代表取締役 イノベーションコンサルタント 平木 肇 氏

講 師 略 歴

92年筑波大学を卒業、シャープ(株)入社。エンジニアとして先端電子デバイスの研究開発・製品開発・生産技術開発に取り組む。通産省(当時)主幹の次世代研究プロジェクトに参画。99年(株)日本能率協会コンサルティング入社。14年間にわたり、技術経営(MOT)、イノベーションマネジメント、研究開発(R&D)マネジメントを主領域としたコンサルティングに従事。2014年(株)ケミストリーキューブ設立。 “技術人材の知恵を、価値を創り出す力に変える”をコンセプトとして、ものづくり企業・技術系企業の技術力・価値創造力の強化と人材の開発を支援している。

開催主旨

ものづくり企業のR&Dにおいて、現在の事業及び商品の実現に加えて、未来の事業及び顧客価値の創造に対する経営からの期待が高まっています。しかし、多くのR&Dでは、「既存の延長線上のテーマが中心になっている」「顧客の要求や他社の動きなど見えている課題に終始している」「組織や分野の壁を越えたシナジーが起きない」「技術が属人化し、共有できていない」など、イノベーションを興せない現場の現状に深い悩みを抱えています。
本セミナーは、自社技術を基軸とした戦略的なR&Dテーマ企画の進め方について、株式会社ケミストリーキューブが様々な企業のR&D現場を支援する中で開発した独自手法をもとに、講義と演習を組み合わせて解説します。

対象者

製造企業の経営者、技術・開発部門長・管理者、技術者・研究者、技術・開発企画スタッフ
特に、下記の課題認識をお持ちの方。

• R&Dのイノベーションを生み出す力を高めたい
• 新たな事業及び顧客価値につながるR&Dテーマを設定したい
• 自社の技術を可視化したい、棚卸したい、強み技術を特定したい
• 技術者、研究者のイノベーションマインドを高めたい
• 自社の保有する技術を組織の壁を越えて共有、活用したい
• 組織・分野の壁を越えた技術者、研究者の協働を促進したい

プログラム

プログラム(1日目) 講義+グループ演習

   1.変化するR&Dへの期待とイノベーション戦略

(1)イノベーションの時代
・ものづくり企業を取り巻く変化
・イノベーションとは「価値の創造と具現化」
(2)変化するR&Dへの期待と現場の悩み
・経営戦略・事業戦略との整合から創発へ
・R&D現場の悩み
(3)イノベーション戦略の着眼
・イノベーション戦略はR&Dの自己変革
・3つの着眼と各社の事例

    2.戦略的R&Dテーマ企画の考え方

(1)なぜ技術マネジメントは難しいのか
・技術のもつ2つの特性
・技術の5階層モデル(技術の捉え方)
・技術創造のUモデル
(2)戦略的R&Dテーマ企画とは
・テーマ企画の出力先は技術戦略
・技術戦略は、経営戦略・事業戦略・製品戦略の下位ではない
・テーマ企画が描き出したいもの
・自社技術の棚卸を起点とした実践プロセス

    3.自社技術の棚卸

(1)技術の棚卸の考え方
・技術の棚卸に対する誤解 ~なぜ棚卸はうまくいかないのか~
・技術の棚卸の鍵は「構造化」
・技術の構造化手法アイマップ(iMap)
(2)価値コンセプト
・顧客価値の考え方  ~価値は機能ではない~
・顧客価値を考える視点
・価値コンセプトの切り口
・顧客インタビューの実施ポイント
(3)技術の洗い出しと噛み砕き
・技術の基本フレーム ~技術と技能~
・技術を構成する3つの機能:目的機能・基本機能・技術機能
・技術の洗い出しの鍵は目的機能の設定
・技術機能の展開視点
(4)技術の評価
・技術評価のタイプと目的
・コア技術の考え方
・技術を評価する3つの軸
~価値の優位性、技術の基盤性、技術の優位性~
・コア技術、基盤技術、差異化技術の設定フレーム
(5)イノベーションへの活用
・技術コミュニケーションの促進
・イノベーションへむけた3つのアプローチ
~価値の革新、技術の展開、技術の新化~

    4.グループ演習

3~5人のグループにて、仮想事例を題材にした演習を行います。

プログラム(2日目) 講義+グループ演習

   1.イノベーション構想① ~価値の革新~

(1)価値の革新のフレームワーク
・価値革新の3つの軸 ~向上、拡大、転換~
・実践ステップ
(2)顧客課題の探索
・顧客及び顧客を取り巻く環境の変化を構造化する
・変化を考察するマクロトレンドの構造化
・顧客マップ ~実践的セグメンテーション~
・~攻め方のストーリーを描くターゲッティング~
・顧客の行動と現状とのギャップから課題を具体化する
(3)顧客価値の構想と検証
・顧客の「ワオ!」を構想する3つの視点
・「価値の向上」「価値の転換」「価値の拡大」のパターン
・Wow!フレーム ~ソリューションを描く~
・バリューカタログ ~顧客目線になりきる~
(4)仮説検証サイクルをつくる
・顧客との対話による価値の検証

   2.技術戦略の立案

(1)技術戦略の立案のフレームワーク
・技術者、研究者の目線から事業家の目線へ
・実践ステップ
(2)TVPの設定と評価
・TVPは、顧客価値を起点とした骨太な技術領域(技術群)
・TVP評価の2つの視点 ~インパクトとフィージビリティ~
(3)技術の戦略方針とロードマップ
・TVPポートフォリオ
・重点TVPの選択とR&D方針の設定
・アイマップ(iMap)を活用した事業・R&D・知財の三位一体戦略
・イノベーション・ロードマップ

   3.実践事例の紹介

   4.グループ演習

3~5人のグループにて、仮想事例を題材にした演習を行います。

ご質問・ご相談は以下担当までご連絡ください。

(一社)企業研究会 民秋(たみあき)
TEL 070-2625-4687
mail tamiaki@bri.or.jp