第6期 実践的リスクマネジメントコース

開催にあたって

    本コースは、内部統制(リスクマネジメント・コンプライアンス)の業務にかかわる担当取締役・部長等の責任者、管理者、実務担当者を対象とし、リスクマネジメントおよびコンプライアンスの取り組みを、どうすれば実効性を高めていくことができるかという観点から、実践的かつ実務的な視点から詳細に解説いたします。コンプライアンス研修を繰り返して概念は理解できても実務に結び付けにくく抽象的になりがちなことは否めません。リスクマネジメントも、一定の取組みをしていても、形式的になっていたり、リスク表の作成自体が目的となってしまうなど、その実効性に疑義を感じることも少なくありません。現場のリスク意識を高め、経営にとって本当に重要なリスクを抽出し、対応できるように、リスクマネジメント活動を効果的なものとするためには、どうすべきか。

コンプライアンスやリスクマネジメントについて、抽象的な概念から、具体的かつ効果的な対応を図るためには、組織内部で可視化して、問題意識を共有していく枠組みが不可欠です。コンプライアンスリスクからアプローチすることで参加しやすくしながらも、社会的なリスクまで広げることで、法令に限定されない環境変化リスクにも適応していきます。そして、それらのリスクを可視化して組織内部で共有し、マネジメント(リスク管理)ができる体制を浸透させることです。

これまで様々な組織の不祥事や再発防止に取り組んできた経験豊富な講師が、具体的なケーススタディをもとに、内部統制構築にあたっての本質的な狙いや留意点を指摘します。特に、「組織風土の変革」をテーマに先端的な取組みをしている事例をもとに、コンプライアンス意識の醸成とリスクマネジメントを融合させた取り組みについて紹介します。人材育成まで踏み込むことで、形式的な取り組みから実効性ある取り組みを組織に浸透させていく方法を解説します。

本講師は、この分野で最も人気の高い講師の一人であり、普段は駆け足な説明の機会しかないことも多いですが、じっくり話を聞きたいという方には最適なコースです。
そもそも何のために内部統制(コンプライアンス・リスクマネジメント)を構築しなければならないのか、起点から見つめ直し、自分の組織に合った内部統制をどのように構築するかを考えるきっかけとなり、実践で活かす効果的な体制整備を行うためのヒントを得ることができると思います。

なお、プログラム内容及び取扱うケーススタディは適宜変更され、連続で参加頂いている受講生の方々に応じて、各回の内容がずれる可能性がある点は御容赦ください。

開催日程

2019年9月~2019年12月

第1回 9月10日(火) 第3回 11月12日(火)
第2回 10月9日(水) 第4回 12月5日(木)

実践的リスクマネジメントコースの特徴

1.講演から様々な事例を学び、自社の組織に合った内部統制をどのように構築するかを考えるきっかけに繋がります。

2.本では学ぶことができない、実務上の障を乗り越えるための方策を学ぶことができます。

会場

厚生会館ホテル (東京・麹町)

 

講師 

大久保 和孝氏 /(公認会計士・公認不正検査士)
 株式会社大久保アソシエイツ 代表取締役社長
 (前 EY新日本有限責任監査法人 経営専務理事 ERM本部長) 

【講師プロフィール】

前EY 新日本有限責任監査法人 経営専務理事 ERM 本部長(~ 2019 年6 月)。セガサミーホールディングス株式会社監査役
(2019 年6 月~)、サンフロンティア不動産社外取締役(2019 年6 月~)、多数の企業のコンプライアンス顧問に就任(2019 年6 月
~)、パロマ 第三者監査委員会委員、建設業における内部統制のあり方に関する研究会(国土交通省)、日本能率協会KAIKA 大賞
審査委員会審査員、(一)交渉学協会理事、厚生労働省 年金特別会計公共調達委員会 委員長、文部科学省 公的研究費の適正な管
理・監査に関する有識者会議、経済産業省 情報セキュリティガバナンス研究会 WG、国土交通省 航空局コンプライアンスアドバイ
ザリー委員会、長野県 コンプライアンス推進参与、林務部改革推進委員会、教員の資質向上教育制度のあり方検討会議、鎌倉市 コ
ンプライアンス推進参与、浜松市コンプライアンス推進担当官、横浜市 コンプライアンス顧問、日本年金機構における業務受託の
あり方等に関する調査委員会、(独)量子科学技術研究開発機構 評価委員会、経済同友会 憲法問題委員会副委員長、行政改革委
員会副委員長、JA 全農 改善計画検証委員会、中間貯蔵・環境安全事業株式会社 ガバナンス及びコンプライアンス関する有識者
委員会、不二家信頼回復会議対策委員、PTB(パチンコトラスティボ-ド)監視委員会、麗澤大学経済研究センター「倫理研究プロ
ジェクトECS2000」作成メンバー、(公)徳川ミュージアム・三徳庵・監事、(医)河北医療財団評議員、(一)大学IR 総研 評議員、
アフリカ起業支援コンソーシアム モニタリングボード、総務省 地域力創造アドバイザー、夕張市 、京丹後市、釜石市 地域創生アド
バイザー、日南市 特命大使(政策)、(一)リアス観光創造プラットフォーム アドバイザー(気仙沼)復興応援キリン絆プロジェクト、
「東北復興農業トレーニングセンタープロジェクト」「地域創生トレーニングセンタープロジェクト」運営委員、社会イノベーター公志
園実行委員、慶應義塾大学 福澤諭吉記念文明塾 アドバイザー、長野県農業大学校 客員教授、早稲田大学、京都大学、横浜国立大
学等、複数の大学非常勤講師、特定非営利活動法人 アイ・エス・エル 運営幹事等を歴任

【主な著作(共著)】

・日経産業新聞連載「デジタル時代のリーダー論」①~⑩(2017年7月~9月)
・日刊工業新聞連載「実践的リスクマネジメント」(1)~(46)(2008年10月~2009年9月)
   その他共著多数

 

例会内容

第1回例会 2019年9月10日(火)14:00~16:30
内容:「環境変化に適応したリスクマネジメントと不祥事を回避するために必要なこと」

1.環境変化に適応したリスクマネジメントと不祥事を回避するために留意すべき視点
  ⑴企業を取巻く環境変化の分析と対応すべきリスク
  ⑵リスクマネジメントは何のために行うのか
      ~組織のビジョンの実践とリスクマネジメント
     ~唯一の解決策のなき課題への対応力
  ⑶経営視点から見たリスクマネジメント体制の構築にむけたポイント
2.リスクマネジメントとコンプライアンスの関係について
  ⑴会社法上の内部統制とリスクマネジメント・コンプライアンス
     ~リスクマネジメントとコンプライアンスの関係をどう位置付けるか
  ⑵リスクマネジメントを経営として取り込むための留意事項
3.環境変化と経営管理上のリスクについて
  ⑴企業不祥事にみる経営取り巻くコンプライアンスリスク
  ⑵コンプライアンス問題の本質的な理解と対応すべき課題
  ⑶経済社会の構造を踏まえたリスクとの向き合い方
  ⑷リスクマネジメントを成功させるためのカギ

 第2回例会 2019年10月9日(水)14:00~16:30
内容:「リスクマネジメントの本質~危機管理と内部統制」

1.内部統制(会社法)が考えている制度的な理解
   ⑴内部統制制度の歴史的考察にみるリスクマネジメントの本質
   ⑵何故、内部統制構築が必要なのか~危機管理の視点から
   ⑶企業不祥事と内部統制との関係について
2.不祥事組織のケーススタディにみる危機管理の在り方
   ⑴ケーススタディを通して見るリスクの本質と対応
   ⑵ケーススタディを通して見る危機管理への対応方法
   ⑶危機管理への対応を効果的にするための内部統制の構築
3.組織風土と内部統制の構築
   ⑴組織風土とは何か
   ⑵不祥事を起こしやすい日本的組織風土の特徴
   ⑶行動規範をベースにした内部統制の構築と具体例

 

第3回例会 2019年11月12日(火)14:00~16:30
内容: 現場の意識変革をもたらす効果的なリスクマネジメントの推進

1.実践的なリスクマネジメントを成功させるポイント
⑴センシティビティの高い人材育成とリスクマネジメント

  ⑵リスク感覚を現場に浸透させるために必要なこと
2.モチベーションリーダーシップと組織的センシティビティの高揚
3.リスクマネジメント体制の具体的な構築にむけて
  ⑴P-D-C-Aサイクル体制の構築上の留意点
  ⑵リスクマネジメント体制の具体的な構築方法
  ⑶リスクマネジメントをより効果的にしていくためには
4.リスクマネジメントの推進
  ⑴現場が抱えているリスクと向き合う
  ⑵リスクの可視化と共有~手段としてのリスクマップの作成
  ⑶根本原因の探求と効果的な解決策を導くための徹底した対話

第4回例会 2019年12月5日(木)14:00~16:30
内容:組織風土を変革させるコンプライアンスとリスクマネジメントの統合的取り組み

1.リスクマネジメント委員会の設置と活動方法(役割)

2.浸透させていくための施策について
⑴リスク意識を高めていくための研修プログラム
⑵効果的なコンプライアンス推進のための戦略的施策の構築
⑶思考力を鍛えるための施策
⑷コンプライアンス研修・リスクマネジメント活動の統合による効果的な浸透策
⑸研修・会議の推進における課題
3.リスクマネジメント意識を現場に浸透させるためには
  ⑴リスクマネジメントを効果的にするための行動規範の作成方法
  ⑵社員の意識改革と行動規範の活用
  ⑶リスクマネジメントを引っ張っていくリーダー人材の育成方法
4.不祥事発覚時の対応方法についてのまとめ
5.理念経営の実践と持続的成長にむけてリスクマネジメントが果たす役割
6.質疑応答

 

申込要領

申込方法

下記申込ボタンもしくはFAXにて必要事項をご記入の上、お申し込みください。
折り返し、受講票・請求書を送らせていただきます。

第6期
参加申込フォーム

申込先

一般社団法人企業研究会 担当:村野武彦
〒102‐0083 東京都千代田区麹町5-7-2
MFPR麹町ビル2F(旧麹町31MTビル2階)
TEL:090-6797-1982
FAX:03-5215-0951

*お気軽にお問い合わせください。

参加費

【全日参加費】

<正会員>
118,800円(本体価格110,000円)

<一 般>
140,400円(本体価格130,000円)

【一日参加費】
<正会員>
34,560円(本体価格32,000円)

<一 般>
37,800円(本体価格35,000円)

・費用は1名分(消費税込)です。