2021年01月27日(水) 発信

課題解決へ“伴走” する BRIのコンサル事業

 

1948 年の発足以来70 年以上にわたり、異業種間の交流による価値創造と、経営層およびビ ジネスマン向けのセミナーやビジネス講座など学びの場を提供してきた一般社団法人企業研究会 (BRI)では、2020 年7 月、新たに「コンサルティング事業グループ」を立ち上げた。同会で はかねてより、約300 社に及ぶ会員企業などからの求めに応じる形で、課題解決のためのプロ グラムを個別にアレンジする取り組みを行っていたが、これまでの取り組みを洗練・強化した形 で、同会の新たな柱となるサービスとして事業展開する。 今回は同会が3 年前からコンサルティングを提供している株式会社カネカの皆さんに、その 内容と評価をうかがった。

 
 

大阪・中之島のオフィス街。日本を代表する化学メーカー、カネカの大阪本社では、知的財産部と、R&B(Research and Business)部門の有志らが集まり、企業研究会が提供するワークショップ型のコンサルティングが行われていた。主題は〝自社の未来を担う新たなテーマ創出〟。講師の村井啓一氏は、元キヤノン材料技術研究所所長で、在職中に研究―開発―生産のサイクルを2回も経験した著名な技術者だ。カネカの研究部門若手社員らは、村井氏の指導の下、各自研究テーマを設定し、続く会社への提案、特許調査、そして事業化を見据えた形で約9カ月間、研究開発テーマを練り上げていく。

「当社では2年前にR&D(Researchand Development) の呼称をR&Bに変えました。その背景には、時間をかけて研究開発を進めても、事業化の手前で停滞したり、思うようにビジネスに結びついていかないという課題があったからです」とカネカR&B本部R&Bテーマ推進室長の吉田龍史さんは言う。

一方、「知的財産部では特許の登録率を高めると同時に、出願数も増やす目標のもと、テーマの探索・設定段階で研究者と密接に連携する体制を構築したいと考えていました」とカネカ知的財産部第三グループの津田悟さん。知的財産部としてテーマ設定への支援策を模索していた時、企業研究会の知的財産セミナーに赴いた際、「登壇した村井さんが『研究者はもっと特許を学べ』とおっしゃっていて、ぜひ当社の研究者にも聞いてもらいたいと思って、講演をお願いしたのです」 企業研究会では、カネカからの要望を受け、村井氏とともに課題解決に向けたコンサルティングを企画。長い歴史で蓄積された研修ノウハウと豊富な人的ネットワークを駆使し、冒頭で紹介した月1回のプログラムの提供が始まった。3年前、まず知的財産部主催で第1期をスタートし、第2期からはR&B本部と協働で開催している。

aコンサルティングの様子。

 
 

「村井さんは、公的機関のデータの活用法など具体的ノウハウから、テーマ提案のプレゼンテーシ ョンでのテクニックまで、自身の経験を惜しみなく伝えてくれます。受講した当社の若手研究者に とって大きな刺激となりました。毎回鋭いダメ出しやアドバイスなど密度の濃いキャッチボールができ、そのステップが彼らの成長につながっているように思います」(津田さん) 「R&B本部としても、村井さんのアドバイスは、事業開発を見据える上で不可欠なBtoBのサプライチェーンなどにも及んでいて、大変有益だと感じています。また、当社は樹脂材料から太陽電池、食品、医薬品、医療機器関連など幅広い分野の事業を手掛けていますが、この広がったネットワークをいかに太くしていくか、あるいは別の方向へ技術をどう展開していくかなど、当社の方針にも深い理解を得てもらった上でアドバイスをいただいています」(吉田さん)

企業風土・文化を育てる面も

企業研究会のコンサルティング・プログラムが始まって3年。当初から携わってきたカネカ知的 財産部企画管理グループリーダーの川端裕輔さんは「意欲のある人が参加するプログラムとするた め、当初から指名制ではなく挙手制にしました。すると、思っていた以上にたくさんの社員が参加を希望し、私たちにとってもこんな人材がいたのかとうれしい発見もありました」と振り返る。 「今後、開発部門のリーダーになるかもしれない若い社員が、新しいことをやりたいと自分で研究テーマを持ち込み、挑戦していく姿勢を見て頼もしく感じます。1期生の背中を見て2期生、3期生とさらに次の世代が続いていく、こういう積極的な文化、企業風土が根付いていくことにも期待しています」(吉田さん)

吉田さん津田さん川端さん

【お話をうかがった皆さん】

株式会社カネカ (※写真左から)
R&B本部R&Bテーマ推進室長 吉田 龍史 氏
知的財産部第三グループ 津田 悟 氏
知的財産部企画管理グループリーダー 川端 裕輔 氏

 
 

カネカのプログラムをアレンジした企業研究会のコンサルティング事業グループ長・三中信一氏は言う。「各社・各部門の課題をお聞きして、当会の内部リソース、および提携ネットワークから最適な講師・コンサルタントをご紹介し、解決のためのプログラムを一緒に作り上げていくのが、当会のコンサル事業です。コンサルティングというと、外部から改革策を持ち込み、是非もなく会社を変えていく印象を持たれる方もいらっしゃいますが、企業研究会のコンサルティングは、例えるならば〝伴走者〟。お客さまの課題解決までベストな施策は何かをともに考え、一緒に走り続けます。ぜひお気軽にご相談ください」