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 「イマドキの若手 ゆとり社員を伸ばせば会社は伸びる〜彼らを輝かせる育成戦略〜」と題し、2008年12月12日(金)に東京・南青山会館において、(株)シェイク代表取締役社長森田英一氏が講演した。概要は下記の通り。

「イマドキの若手 ゆとり社員を伸ばせば会社は伸びる〜彼らを輝かせる育成戦略〜
(株)シェイク 代表取締役社長
森田 英一氏
1.ゆとり世代の社員で職場はどうなる
 高校時代に「ゆとり教育」を受けた第1世代が、今年4月に入社してきた。その世代のキーワードは「自分らしさ」で、「こんな仕事やりたくありません」などと口にする。さらに、中学校の時期から「ゆとり教育」を受けた「ゆとり“本格”世代」が2010年に入社してくると同時に、団塊の世代の退職完了、若手・中堅層の空洞化が起こると考えられる。しかし、ゆとり社員が10年後や30年後の会社を担うのは紛れもない事実なので、彼らをうまく生かし、彼らが成長するような仕組みを作っている会社が伸びていくと言えよう。
2.ゆとり世代が育った背景
 ゆとり世代は、小学生のころに地下鉄サリン事件、中学生のころに山一ショックを経験した。その後の不景気で、友達の父親がリストラにあうといったことを目の当たりにして、会社というものに対する不信感を持っている。
 若手に人気があるサイバーエージェントの藤田社長のブログを見ると、「スノボに行ってきました」「この前ライブに行きました」という感じで、社長でありながら身近な感じを受ける。かたや、会社に行くと、自分の距離感と違う先輩や上司がたくさんいるという中で、幸せとは何か、今までの働き方が本当に正しいのかと彼らも悩んでいる。
3.ゆとり世代の特徴
 彼らは、時間的にもゆとりがあり選択肢もいろいろある中で、のんびり過ごす人と、学生のうちから起業した経験などを持つアクティブ層に分かれる。のんびり層の特徴で大事なのは、「自分を好きになれない」という傾向が出てきていることで、その理由を聞くと、「自分で頑張ってやり切った経験がない」という答えがよくある。
 ゆとり世代に共通する特徴は、第1にお膳立て世代であるということで、自分のやりたいことが分かっていない。第2にガラスのココロを持ち、非常にストレス耐性が弱い。第3にビビリ個性。流行のど真ん中は嫌だが、人とものすごく離れたところも嫌がる。さらに、違う世代とのコミュニケーションが苦手で、石橋をたたいて渡るという特徴もある。貯金率も高い。また、安定志向が結構強いと思う。
4.ゆとり世代の育成戦略 〜やりがいマネジメント〜
 ゆとり社員のマネジメントを考えるにあたって、キーワードとなるのは「意味・価値」「成長実感」「連帯感」である。「意味・価値」とは、自分のやっている仕事の意味や意義、自分自身の存在意義、自分自身が役に立っているという感覚を指す。また、彼らは成長に対して非常に焦っている。社会が不安定で、いきなり会社がつぶれる時代であるがゆえに、自分の身は自分で守らなければという焦りも不安も強く、「成長実感」を持ちたいと思っている。さらに、彼らは孤独になりがちで、人とのコミュニケーションも苦手であり、課題も一人で抱えてしまいがちだが、それを解決するキーワードが「連帯感」である。
4−1.意味・価値
 大手町近辺を商圏とした仕出し弁当屋の例で、とにかく弁当を売れという指示・命令的なマネジメントから、「うちの仕事は、ビジネス現場の最前線でグローバル相手に働いている日本のビジネスパーソンの健康管理をしている仕事だ」とスタンスで、それを延々と社長が言い続けることにより、若手の定着率が高まって、業績がぐんと伸びたというケースがある。つまり、日々の仕事がどうお客さまの笑顔につながっているのか、社会の価値につながっているのかという観点を持つことが重要なのだ。
4−2.成長実感
 新人の育成では、指示・命令なり、一歩一歩階段を作って、まずは成功体験を積んでもらうことが重要である。また最近、「しかる/褒めるが難しい」という話をよく聞く。信頼関係を作っていないうちに若手にフィードバックすると、すぐ心のシャッターを遮断してしまうというのだ。従って、われわれは新人研修で教えた内容をOJTトレーナーにも教えたり、OJTトレーナーの研修の中で、「部下育成カルテ」や「本人の意向」を書いてもらったりして、新人をまず知ることを実践してもらっている。
4−3.連帯感
 やはり今の職場は、非常に孤独感にさいなまれやすい。それを打破するためには「ストローク」が重要である。挨拶をする、目を合わせる、少し肩をポンとたたく。「おはよう」「すごいね」「頑張っているね」と声掛けしたり、うなずく、握手するという日常の関わりの中で、「自分のことを気に掛けてくれている」ことを認識してもらう。
 また、ストロークの中でも「○○さんが居てくれるだけで、職場が明るくなっていいよね」と言うとか、相手の話をじっと聞くなど、存在そのものを認める無条件のものにインパクトがある。さらに、「目標達成を一緒に頑張ろう」と言うのか、「おまえ目標達成しろよ」と言うのかも重要だ。すなわち、「仲間がいる」ということで職場のつながりが生まれてくるのだ。
5.ゆとり世代の最大の強みを生かす
 ゆとり世代の強みは、まじめ、優秀、頭が良い、堅実、センスが良い、考え方が柔軟なところだ。そして、一度距離が近くなると仲間意識を強く持つし、納得すれば一生懸命働く。そして、負荷をかけてぐんと成長したときに、きちんとフィードバックすることがすごく大事である。
 その育成体系としては、研修だけでなくやはり現場連動が重要だ。新入社員研修で仕事の基本的なことを教えたら、それをOJTトレーナーにもきちんと教える。さらに、その上司の部課長にも講演や研修で、指示・命令とは違う新しいマネジメントを体感していただくと、職場カルチャーが変わっていく。さらに、新人やOJTトレーナーに対してサーベイのようなもので定点観測をしていくことも効果的である。
森田 英一氏 プロフィール
森田 英一氏(株)シェイク 代表取締役社長

大阪大学大学院卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。金融機関、官公庁等の人・組織に関するコンサルティング経験を経て、2000年にシェイク社創業。
「自律型人材育成」をキーワードに、企業研修をはじめとし、組織診断、組織風土改革、人材育成コンサルティングなどを、大手企業を中心に、多数の企業に提供している。
その他、大学・専門学校の講師、経済産業省補助事業の人材育成に関する研究会のクラスター座長等を務める。
ビジネス誌や人事専門誌への人材育成、キャリア、採用に関する寄稿多数。

【主要著書】
・「3年目社員」が辞める会社、辞めない会社(東洋経済新報社)
・デキル人は皆やっている一流のリーダー術(明日香出版社)
・自律力を磨け!(マガジンハウス)
他、著書多数。

e-mail:morita@shake.co.jp
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