ゆとり社員のマネジメントを考えるにあたって、キーワードとなるのは「意味・価値」「成長実感」「連帯感」である。「意味・価値」とは、自分のやっている仕事の意味や意義、自分自身の存在意義、自分自身が役に立っているという感覚を指す。また、彼らは成長に対して非常に焦っている。社会が不安定で、いきなり会社がつぶれる時代であるがゆえに、自分の身は自分で守らなければという焦りも不安も強く、「成長実感」を持ちたいと思っている。さらに、彼らは孤独になりがちで、人とのコミュニケーションも苦手であり、課題も一人で抱えてしまいがちだが、それを解決するキーワードが「連帯感」である。
4−1.意味・価値
大手町近辺を商圏とした仕出し弁当屋の例で、とにかく弁当を売れという指示・命令的なマネジメントから、「うちの仕事は、ビジネス現場の最前線でグローバル相手に働いている日本のビジネスパーソンの健康管理をしている仕事だ」とスタンスで、それを延々と社長が言い続けることにより、若手の定着率が高まって、業績がぐんと伸びたというケースがある。つまり、日々の仕事がどうお客さまの笑顔につながっているのか、社会の価値につながっているのかという観点を持つことが重要なのだ。
4−2.成長実感
新人の育成では、指示・命令なり、一歩一歩階段を作って、まずは成功体験を積んでもらうことが重要である。また最近、「しかる/褒めるが難しい」という話をよく聞く。信頼関係を作っていないうちに若手にフィードバックすると、すぐ心のシャッターを遮断してしまうというのだ。従って、われわれは新人研修で教えた内容をOJTトレーナーにも教えたり、OJTトレーナーの研修の中で、「部下育成カルテ」や「本人の意向」を書いてもらったりして、新人をまず知ることを実践してもらっている。
4−3.連帯感
やはり今の職場は、非常に孤独感にさいなまれやすい。それを打破するためには「ストローク」が重要である。挨拶をする、目を合わせる、少し肩をポンとたたく。「おはよう」「すごいね」「頑張っているね」と声掛けしたり、うなずく、握手するという日常の関わりの中で、「自分のことを気に掛けてくれている」ことを認識してもらう。
また、ストロークの中でも「○○さんが居てくれるだけで、職場が明るくなっていいよね」と言うとか、相手の話をじっと聞くなど、存在そのものを認める無条件のものにインパクトがある。さらに、「目標達成を一緒に頑張ろう」と言うのか、「おまえ目標達成しろよ」と言うのかも重要だ。すなわち、「仲間がいる」ということで職場のつながりが生まれてくるのだ。